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2017 年度 実施状況報告書

NaF-PETならびにFEAによる義歯床下顎堤吸収に関する早期診断指針の検討(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0292
研究機関東北大学

研究代表者

末永 華子  東北大学, 歯学研究科, 助教 (00508939)

研究期間 (年度) 2016 – 2018
キーワードメカノバイオロジー / 骨リモデリングシミュレーション / NaF-PET / FEA
研究実績の概要

骨は,生涯を通じてメカノバイオロジカルなリモデリングにより,その形態の適応を図っている.股関節症や膝関節症,あるいは歯の欠損等は生体力学的な調和を崩し,またこれらへの医科・歯科の補綴治療等もまた力の負荷様相を大きく変える.そして歯科インプラント・有床義歯による過剰な負荷に起因する骨吸収,あるいは人工関節ステム周囲骨のストレスシールディングによる骨吸収等が惹起される.そこで治療遂行には,経時的なメカノバイオロジカルな骨リモデリングを考慮し,生体力学的要因を制御した指針が求められる.その実現にはメカニカルストレスの伝達・発現様相,惹起されるメカノバイオロジカルな反応を把握し,さらにその臨床的アウトカムを評価することが必須であるが,その一連の理解は未だ不十分である.
これまで,NaF-Positron emission tomography(NaF-PET)により検索した義歯装着直後の骨代謝変化,およびFinite Element Analysis(FEA)により計算した床下顎堤のmechanical stimuliの変化と臨床的アウトカムである義歯装着5年後のCT follow upデータとの関連について検討してきた.義歯装着直後に骨代謝が変化しなかった群では,5年後のCTデータに変化は認められなかったが,義歯装着直後に骨代謝が変化した群では,5年後のCTにも変化が認められるケースが認められ,これらの結果から、力学的負荷とその他の要因(抜歯に伴う骨改造等)の関連性により長期予後が異なることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

力学的負荷以外の骨改造に影響する要因が個々人で大きく異なり,それらを同定し,比較することが困難であったため,全体としてはやや遅れている.

今後の研究の推進方策

義歯装着直後に骨代謝に変化が認められた群についての解析に重点を置いて研究を進めていく。力学的負荷の変化が少ないところを比較基準部位とするなどして,同一個体内での違いから,骨代謝および5年後のCT値変化の要因を特定して,課題を遂行していく.海外共同研究者とのディスカッションについては、メールのみならず、定期的ウェブ会議を開いて進め、進捗を確認すると共に、今後の方針について必要に応じて修正して課題を発展させていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] バイオメカニクス・メカノバイオロジ―の観点から欠損歯科補綴を考える2017

    • 著者名/発表者名
      依田信裕 末永華子 佐々木啓一
    • 雑誌名

      日補綴会誌

      巻: 9 ページ: 291-296

    • DOI

      10.2186/ajps.9.291

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] NaF-PETによる義歯床下メカノバイオロジカル骨反応の評価2017

    • 著者名/発表者名
      末永 華子
    • 学会等名
      第72回東北大学歯学会

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公開日: 2018-12-17  

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