本研究は、気分障害における病態生理学的メカニズムの解明を目指し、新規解析方法の確立のため、オタワ大学およびマギル大学と共同し、fMRI解析およびMRS-GABAに関する技術交流を行った。オタワ大学はfMRI解析に関してPower-Law Exponent (PLE)の先進的研究を実施しており、われわれは、先ず健常人を対象として、表情認知課題における前部帯状回の活動抑制に関連したPLE解析を実施した。fMRI信号を高速フーリエ変換した際のパワー値と周波数分布をlog変換することで、線形成分を排出し、この傾きをβと定義した場合、β値は表情認知課題の反応速度と有意に関連していることが分かった。
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