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2018 年度 実績報告書

哺乳類細胞における浸透圧ストレス受容・応答機構の解明(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0297
研究機関東京大学

研究代表者

名黒 功  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (80401222)

研究期間 (年度) 2016 – 2018
キーワードシングルセル解析 / 浸透圧ストレス / 細胞応答 / 免疫細胞 / シグナル伝達 / ストレス応答
研究実績の概要

前年度までに渡航時の研究内容について海外共同研究者と綿密なディスカッションを行なっていたため、本年度はUniversity California Berkeleyに渡航しスムースに実際の実験の実施を行った。まず、目的として設定した浸透圧ストレス応答における細胞間のバリエーションを検出するために利用するシングルセルウェスタン法の習得を行った。共同研究者の研究室でスタンダードに行われていたU251細胞を用いたシングルセルウェスタン法を練習台として、フォトリソグラフィー等、微小構造体の作成を習得したのち、本研究のテーマとして、モノサイトの細胞株であるRaw264.7細胞における高浸透圧誘導性のNFAT5依存的遺伝子発現のバリエーションの解析と、HeLa細胞における高浸透圧ストレス依存的なMAPK(ERKおよびp38)のリン酸化の変化の解析を試みた。
Raw264.7細胞の遺伝子発現については、シングルセルウェスタン法を用いることで免疫応答関連遺伝子など特定の遺伝子発現に期待どおり全か無かに近い大きなバリエーションが観察されることが明らかになると同時に、細胞間バリエーションをあまり示さない遺伝子発現もあることが明らかになった。つまり、同じNFAT5に制御され高浸透圧ストレスで誘導される遺伝子発現でも異なるメカニズムにより制御されていることが示唆された。これは、通常のウェスタン法では区別できず、今回の国際共同研究により始めて明らかにすることができた現象である。
MAPKのリン酸化については、シングルセルウェスタン法の手技の過程で必須となる細胞の剥離が刺激となり、浸透圧ストレス依存的なリン酸化が保存されないという問題が起き、今回の渡航期間においては正確に検証することはできなかった。一方、この問題点を解決するために渡航先の研究室と帰国後も共同研究を行っており、細胞の剥離を必要としない新しいシングルセルウェスタン法のデバイスの開発につながるものと期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] University of California, Berkeley(米国)2018

    • 年月日
      2018-03-30 – 2018-10-02
    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of California, Berkeley
    • 主な海外共同研究者名
      Amy E. Herr
    • 部局
      Bioengineering
    • 職名
      Professor
  • [学会発表] シングルセルウェスタン法を用いた細胞の浸透圧ストレス応答の解析2019

    • 著者名/発表者名
      名黒 功、立野 浩輝
    • 学会等名
      第4回メカノバイオロジー学会
  • [学会発表] NFAT5の高浸透圧応答性を促進するHes1の同定2019

    • 著者名/発表者名
      名黒 功、立野 浩輝、一條 秀憲
    • 学会等名
      第71回 日本細胞生物学会大会
  • [学会発表] 新規NFAT5核内移行制御因子HES1の同定と高浸透圧環境における機能2018

    • 著者名/発表者名
      立野 浩輝、名黒 功、一條 秀憲
    • 学会等名
      第91回日本生化学会大会
  • [備考] 東京大学 大学院薬学系研究科 細胞情報学教室

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~toxicol/index.html

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公開日: 2021-01-27  

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