低酸素応答の急性期と慢性期に働く遺伝子の発現を制御する分子機序を、それらの核内のポジションに着目して解析した。急性期と慢性期の低酸素応答で発現が誘導される遺伝子約200個を、HIFの標的遺伝子、および、CREBの標的遺伝子の中から選抜して、その核内ポジションを、共同研究者が開発したHIPMap法を用いて決定した。その結果、低酸素下で発現変動する複数の遺伝子が、核内ポジションを変化させていることが明らかになった。このことから、低酸素環境は、遺伝子の核内での位置も変化させることで、ダイナミックな遺伝子発現を調節していることが示唆された。
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