研究実績の概要 |
アルゴンヌ国立研究所でのタンデム型加速器ATLASを用いた211Rnの製造は、課題期間後も進めていくことを確認しており、211Rn/211Atジェネレータの開発は継続される。2019年度は主に以下の結果を得た。 1)2019年4月1日から4日にカナダのオタワで開催された第11回の標的α線内用療法シンポジウムに参加し、2018年度にアルゴンヌ国立研究所で実施した国際共同実験の結果をJerry A. Nolen氏との共著として発表した。 2)デューク大学滞在中に実施したα線による放射線分解の効果を基に福島県立医科大学先端臨床研究センターで実施した211Atの製造と化学分離に関する現状を、オーストリアのウィーンで2019年10月28日から11月1日に開催されたIAEAの国際シンポジウム(International Symposium on Trends in Radiopharmaceuticals)で発表し、同シンポジウムに参加していたデューク大学のMichael R. Zalutsky教授と議論した。 3)2019年12月9日から13日までIAEAで開催された「Technical Meeting on: Production of Alpha Emitters and Radiopharmaceuticals (Ac-225, Bi-213)」に参加し、Ac-225, Bi-213以外のα放射体の紹介としてAt-211に関する世界と日本国内の状況を紹介した。発表ではAt-211を加速器で直接作る方法に加えて、日本原子力研究開発機構のタンデム加速器およびアルゴンヌ国立研究所でのタンデム型加速器ATLASを用いた211Rnの製造についても紹介し、短半減期のAt-211の供給がAc-225等の比較的長い半減期を持つ核種と異なる供給体制を構築していることを、参加者と情報共有した。
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