KRAS変異腫瘍が上皮間葉移行状態により2種類に分類できることを明らかにした。ERKパスウエイの抑制は、上流受容体のフィードバック活性化を誘導するが、活性化される受容体が上皮型ではERBB3、間葉型ではFGFR1であり、MEK阻害薬と受容体阻害薬の併用が、それぞれの性質を示す腫瘍の治療に有効であること示した。また、上皮間葉移行状態に関わらずMEK阻害薬と併用効果を示す標的としてSHP2を同定した。近年開発の進むKRAS G12C変異直接阻害薬について、感受性や耐性規定因子を解析・同定した。さらに本課題を通じ新たな国際共同研究を展開しBRAF遺伝子変異腫瘍に対する個別化治療の提唱を行った。
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