研究課題
本研究では、リソソーム蓄積がTranscription Factor EB (TFEB)の発現上昇及び活性化を引き起こすことで、オートファジーの亢進とオートリソソーム形成異常に繋がり、その結果として神経細胞死を起こしていると考え、リソソーム病における病態発現メカニズムを明らかにすることを目的とした。平成30年度は、これまでに引き続き、共同研究先であるTelethon Institute of Genetics and Medicine (TIGEM)で作製した脳特異的TFEB KO-Sandhoff病モデルマウスを用いて病態解析を行った。脳特異的TFEB KO-Sandhoff病モデルマウス(ダブルKOマウス:DKO)では単独KOであるSandhoff病モデルマウスと比較してグリア活性化及び神経細胞死が亢進していることが明らかなった。また、オートファゴソームの増大及びリソソームの減少が観察され、リソソーム病においてリソソーム制御因子であるTFEBは、リソソームの新生を引き起こしてオートファゴソームとリソソームのバランスを整え、オートファジー異常を回避していることが明らかとなった。さらに、神経炎症によりTFEBが発現上昇しているメカニズムを解明するために、神経細胞モデル(SH-Sy5Y)に対してTNFαを処理し、阻害剤を用いた実験を進め、発現メカニズムのシグナル経路を明らかにした。またLPSの脳室内投与により、マウス神経炎症モデルにおいて、細胞モデルで明らかとなったシグナル経路でTFEBが発現上昇していることを明らかにした。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
生化学
巻: 90 ページ: 60-68
10.14952/SEIKAGAKU.2018.900060
Yakugaku Zasshi
巻: 138 ページ: 885-893
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https://www.tokushima-u.ac.jp/ph/faculty/labo/btc/