当該年度は渡航しておらず、該当期間は一ヶ月であった。この一ヶ月の間に、渡航後に予定している実験の準備をおこなった。まず、渡航先の共同研究者と渡航後の研究打ち合わせをメールで行った。渡航後に用いる一細胞RNAシーケンスに関して条件検討がまだ終わらないという報告を受け、まずはバルク集団を用いたシーケンスを優先して行う予定とした。次に、複数の組織の形質細胞、メモリーB細胞の分取方法を確認した。免疫を施さず、ナイーブなマウスを使用して、通常状態のこれらの細胞の性質を明らかにすることで合意した。メモリーB細胞の分取方法に関しては渡航先の研究室の得意分野のため、様々なアドバイスをもらい、渡航後の実験計画を効率良く構築することができた。渡航後に実験をスムーズに始めるため、各組織の形質細胞、メモリー細胞の採取方法を練習を行った。また、基礎的なデータとして用いるため、脾臓形質細胞と骨髄形質細胞のRNAシーケンスのデータをGene Expression Omnibus (GEO) データベースより取得し、解析を行った。両者の間に大きな変化はみられなかったが、MT2やSLPIなどのタンパク質をコードする遺伝子の発現などに違いが見られた。この結果を参考に、単一細胞解析を行う際の遺伝子リストを作成した。最後に、アメリカ渡航のためのVisaの手配や、渡航後の住居などの下調べを行った。しかし、Visaの申請は3月中に終わらず、次年度に持ち越したため、研究費は使用しなかった。
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