病原体を排除する抗体を産生する形質細胞が長期間骨髄で生存し、血清中に抗体を産生する現象は、免疫記憶の柱の一つである。我々は、形質細胞の長期生存機構を解明するため、長期生存形質細胞が存在する骨髄と、短期生存形質細胞で構成される脾臓の形質細胞の遺伝子発現を1細胞RNA-sequencing法で比較し、メタロチオネイン (MT) 1とMT2を抽出した。骨髄のMT高発現細胞は、低発現細胞に比べて抗ストレス性の遺伝子発現様式であった。さらに、MTの発現は、形質細胞の長寿命に重要なIL-6の刺激で上昇したことから、骨髄のMT高発現形質細胞は、生体内で生存シグナルを受けた細胞であることが予測された。
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