研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
本研究では、マウス小脳をモデル解析系とし仮説「同じPcdhを発現するニューロン同士で神経回路を作る」の検証を試みた。その結果、Pcdh欠損により(i)小脳神経回路が異常になる、(ii)小脳の運動学習機能が異常になる、ことが判明した。本結果により、小脳の機能的神経回路形成にPcdhが関与することが明らかとなった。また、上記仮説を検証するために用いるPcdh発現レポーターマウスの作製に成功した。
神経生物学
本研究により、小脳の機能的神経回路形成にPcdhが関与することが明らかとなった。小脳は運動学習を制御することが知られていた。さらに、近年になって自閉症への関与も報告され、高度な精神機能への関与も明らかとなった。従って、本研究を発展させることで、運動学習や高度な精神機能を担う新たな分子メカニズムの解明が予想される。将来的には、運動機能を向上させる新規な手法や自閉症の新たな治療法の開発に結びつく可能性がある。