研究課題/領域番号 |
15KK0340
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
繁冨 英治 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00631061)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2019
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キーワード | ペリシナプスグリア / アストロサイト / カルシウム / 線条体 / ドパミン / アセチルコリン / カルシウム感受性タンパク / 二光子励起レーザー顕微鏡 |
研究実績の概要 |
中枢神経系の情報処理における最小単位であるシナプスの多くは、ペリシナプスグリアによって取り囲まれている。このペリシナプスグリアは、シナプスからの情報を受容する能力およびシナプスに向けて情報を発信する能力の両方を有することから、シナプスにおける情報処理と密接に関連すると想定されている。しかし、ペリシナプスグリアは非常に微細な構造で、その活動を計測することが難しいことが、ペリシナプスグリアによるシナプス制御機構を明らかにする上で1つの障壁となっていた。すなわち、ペリシナプスグリアの活動を鋭敏に検出する技術が必要であった。本研究計画では、ペリシナプスグリアの活動を鋭敏に検出する細胞膜移行型カルシウム感受性蛍光タンパク質、Lck-GCaMP6f、をアストロサイト選択的に発現する遺伝子改変マウスを用いることで、ペリシナプスグリアの活動を詳細に解析し、その活動がシナプス伝達をどのように修飾するのかを明らかにすることが主要な目的である。研究に使用する遺伝子改変マウスが、国際共同研究先以外でも利用可能となったことから、当年度は、当該マウスを研究代表者が所属する研究機関に導入し、予定していたイメージング実験を実施することを計画した。当該マウスは、AldH1l1-CreERT2マウスとFlx-Lck-GCaMP6fマウスを交配して産まれた仔である。これら2系統の遺伝子改変マウスの導入は大きな問題もなく終えることができた。両者の交配を進めているが、実験に供するマウスを得るには至っていない。必要なマウスを速やかに得て所属研究機関で必要な実験を終了できるように、効率的な交配を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アストロサイト特異的Lck-GCaMP6f発現遺伝子改変マウスを得るために必要なマウス2系統の導入を行った。当該大学動物施設へのマウスの導入には、大きな問題はなかった。しかし、動物の交配は余り進んでおらず、現時点では実験に供するマウスを得られていない。必要なマウスが出来る限り早くに得られるように、効率的な交配を図っている。
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今後の研究の推進方策 |
アストロサイト特異的Lck-GCaMP6f発現遺伝子改変マウスを得るために必要なマウスの導入は完了した。今後は、当該マウスの交配を進め、実験に供するマウスをできる限り早くに得て、研究代表者が所属する研究機関にある二光子励起レーザー顕微鏡を用いたイメージング実験を終え、研究成果を速やかに公表したい。
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