本研究は,遺伝的に類似したハワイ在住日系アメリカ人と日本在住日本人の一般住民男性高齢者を対象として、認知機能低下の関連要因を比較することを目的とした。認知機能評価のための神経心理検査には、異文化間、異国間の研究で使用するために開発されたCASI(Cognitive Abilities Screening Instrument)を用いた。低い認知機能スコアを有する者の割合は、中年期以降に生活習慣の欧米化を経験した日本コホートよりも若年期から欧米の生活習慣を経験したハワイコホートの方が高かったが、その差は主に教育歴の違いによって説明された。また、欧米風の生活習慣に異なる期間曝露したハワイの日系アメリカ人と日本在住日本人高齢男性において、低い認知機能スコアに関連する循環器疾患の既往と心血管代謝障害因子は異なった。
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