研究実績の概要 |
本年度は渡航する準備を行い、研究面においても渡航後研究グループにすぐに参加して研究をスタートできるように、渡航先が行っている研究について国内において準備を行っている。また、本年度に2017年度から渡航することが決定したため、現在渡航調整を行っている。 渡航前の準備研究について以下に示す。渡航先の研究者と連絡を密に取り合い、渡航後すぐに研究グループに参加できるように、行う予定の研究について研鑽している。具体的には、マウスを麻酔下に大動脈弓を結紮狭窄し Transverse aortic constriction を作成、重度の心肥大マウスを作成、心筋の線維化したマウス心臓モデルの作成、肺水腫マウスモデルの作成技術を研鑽することで、渡航後すぐに研究がスタートできるようしている。さらには、上記記載のマウスの生存率の調査をしたり、Transverse aortic constriction 施行4週間後マウスの心エコーを用いた心臓壁の厚さを測定・心臓カテーテルによる心機能評価(ejection fraction, %fractional shortening, 左室圧, dP/dtmax, dP/dtminなど)、心臓や肺の重量測定などを行っている。これらを行うことによって、渡航先の技術と同等の水準にまで達することができ、渡航後はすぐに研究グループに加わり、研究をスタートできるものと期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
マウスを麻酔下に大動脈弓を結紮狭窄する(TAC: transverse aortic constriction)ことで術後、約2週間で心肥大が認められ、4週間後には重度の心肥大、線維化、肺水腫モデルを作成することができる。Kaplan-Meier曲線による生存率の調査、TAC施行4週間後マウスの心エコー(Sonos 5500, Philips Medical Systems)・心臓カテーテル(SPR-671, Millar Instruments)による心機能評価(心壁厚, ejection fraction, %fractional shortening, 左室圧, dP/dtmax, dP/dtmin等)、心臓や肺の重量測定などを行う。 上記測定項目をコントロール群、カベオリン-3過剰発現群、カベオリン-3ノックアウト群、ラパマイシンや3-メチルアデニンを使ったオートファジー誘導群・抑制群においてにおいて比較検討する。さらに、各々の組み合わせ群(過剰発現マウス+オートファジー抑制群など)においてもTACを行いその作用を明らかにする。 また、各群のマウスの摘出心を組織固定し、電子顕微鏡を使用してその細胞表面を観察、単位表面積あたりのカベオラの数をコントロール群と比較評価する。さらに、カベオリン-3の活性をイムノブロッティング法にて確認する。同様にオートファジーの誘導を単位面積当たりのオートファゴソームを電子顕微鏡にて観察、アッセイキットにて検出し比較検討する。また、関連タンパクについてイムノブロッティング法にて比較する(LC3-I/LC3-II、Beclin1など)。
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