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2019 年度 実績報告書

救急・在宅医療連携による地域介入が終末期医療に及ぼす影響の実証とメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 15KT0004
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

山岸 暁美  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (30433626)

研究分担者 森田 達也  聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
研究期間 (年度) 2015-07-10 – 2020-03-31
キーワード高齢者救急搬送 / アドバンスケアプラニング / 救急医療と在宅医療の連携 / 意思決定支援 / 多職種協働 / 地域包括ケアシステム
研究実績の概要

1)緊急時連絡シートの運用、2)介護支援専門員による意思決定支援とそのための教育研修、3)ネットワーキングおよび高齢者搬送に関するローカルルールの運用、4)市民啓発、の4本柱から成る介入プログラムについて、Cluster-RCTのデザインを用て評価した。2020年3月までに、介入および評価のための全ての調査が終了した。
粗解析の結果として、メインアウトカムの3点(人生の最終段階の過ごし方に関する希望の表明の有無、人生の最終段階の過ごし方に関する希望と実際の合致率、人生の最終段階での救急搬送率)について、有意差を認めた。つまり、介入群では有意に、人生の最終段階の過ごし方の希望の表明する人が多く、希望と実際が合致する率が高く、人生の最終段階の望まない救急搬送は減った。
またプロセス評価では、ケアマネジャーや施設相談員が、生活全般を支える専門職として利用者との信頼関係をベースに、「もしもの時よりも、もっと前に、自分が最期どこでどんなふうに過ごしたいかを自ら考えたり、近しい人と話あったほうが良い」という知識の提供、また「自分が、いつでも相談に乗る」という伴走型支援の確証といった、対象者のACPレディネスを向上させる対応(ACPの扉を開ける)をしたこと、また、人工呼吸器装着や胃ろう造設に話が至った際には適切に医療者に繋ぐという対応をしたことがアウトカム向上に貢献していたことが示唆された。2020年5月31日までに全ての論文化を終える予定である。
研究事業のプロセスで得られた知見に関しては、2017年度~2019年度の厚生労働省医政局「在宅医療・救急医療連携にかかる調査・セミナー事業」や「基礎自治体が取り組む在宅医療・救急医療連携推進のための手引き」においても、多くの知見が活用された。さらに、多くの自治体、大学、職能団体等で当該研究に関する講演会が企画された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 地域全体でACPプロセスを支える─ふくろうプロジェクト:高齢者救急×地域包括ケア×ACPの挑戦2019

    • 著者名/発表者名
      山岸暁美
    • 雑誌名

      緩和ケア

      巻: 29(3) ページ: 217-220

    • 査読あり
  • [学会発表] 地域包括ケアシステムの実現に向けて解決すべき現場の課題 ~地区医師会は何をすべきか?~2019

    • 著者名/発表者名
      山岸暁美
    • 学会等名
      日本在宅救急医学会第3回学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 現場から支えるACP(人生会議)とその理論の今2019

    • 著者名/発表者名
      山岸暁美
    • 学会等名
      日本プライマリ・ケア連合学会 第33回近畿地方会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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