研究課題/領域番号 |
15KT0006
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
増本 康平 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20402985)
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研究分担者 |
岡田 修一 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70152303)
近藤 徳彦 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70215458)
長ヶ原 誠 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (00227349)
片桐 恵子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (80591742)
木村 哲也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60533528)
太田 能 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (10272254)
貝原 俊也 神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (70289114)
大川 剛直 神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (30223738)
谷口 隆晴 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (10396822)
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研究期間 (年度) |
2015-07-10 – 2018-03-31
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キーワード | 高齢者 / 地域コミュニティ / 社会的ネットワーク / ネットワーク分析 |
研究実績の概要 |
我が国は平均寿命が世界一位の長寿国であるが,寿命が伸びたことにより,不健康ではなく健康で自立して生活できる健康寿命へのニーズが高まっている。また,超高齢社会となり孤独死や徘徊による行方不明者の増加といった社会問題が顕在化している。日本だけでなく世界的にも高齢化は進展しているが,健康寿命を延ばし生きがいをもって活力のある高齢化を迎える上で,また,老後の生活の質を高め,安心・安全な生活を送る上でも,人と人とのつながりである社会的ネットワークが重視されている(WHO, 2002; 厚生労働省, 2013, 内閣府, 2015)。 本プロジェクトでは,「行動変容モデルに基づくプログラム展開による地域住民の社会的ネットワーク形成の促進」と「社会的ネットワークの客観的検証方法の確立」の二つの研究を実施する。平成28年度は,地域住民に対して,ウォーキング教室等の複数のプログラムを実施した。また、プログラム参加者間のネットワークをウェアラブルセンサを用いて定量的に評価するとともに,時系列のネットワークの変化や異なる集団間のネットワークの差を検定するための統計手法の開発もおこなった。特に,ウェアラブルセンサによるネットワークの可視化によって,参加者の交流ネットワークの状態や変化だけでなく、交流のキーパーソン,反対に孤立した参加者を把握することが可能となることが示された。本年度および初年度の研究の成果については,国際・国内での学会で発表し,また,複数の学術雑誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画とおり,H28年度は地域ネットワークの形成と拡散を目的とした8つのプログラム(ウォーキング教室,園芸教室等)を実施するとともに,本研究の新規性でもあるウェアラブルセンサを用いたネットワークの測定に関する結果およびそのデータを解析する新たな統計手法の開発に関する論文を学術雑誌に掲載することができた。
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今後の研究の推進方策 |
H29年度が最終年度となるため,対象としてきた地域コミュニティの全戸を対象としたpost調査を実施する。初年度のpre調査とpost調査の結果から本研究で実施した社会介入プログラムの効果を明らかにする。また,成果の社会的還元として,対象地域においてタウンミーティングを実施するとともに,これまでの結果をわかりやすい形で表記したリーフレットを作成し,全戸に配布する。
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次年度使用額が生じた理由 |
一年間の雇用を予定していた研究員が出産のため雇用期間を3ヶ月短縮した。また,その影響で調査実施時期に若干の遅延が生じ,調査データ回収後のデータ整理・入力にかかわる調査補助員の人件費をH28年度に支出することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究員はH29年度6月から復帰予定であり,また、調査データの回収もH29年6月に終了予定のため繰り越し額は研究員の雇用とデータ入力の人件費にあてる計画である。
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