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2015 年度 実施状況報告書

分光分析と3次元輸送シミュレータを併用した青果物循環改善

研究課題

研究課題/領域番号 15KT0026
研究機関東京大学

研究代表者

牧野 義雄  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (70376565)

研究分担者 中村 宣貴  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所, 主任研究員 (50353975)
研究期間 (年度) 2015-07-10 – 2019-03-31
キーワード農業工学 / 解析・評価 / モデル化 / 園芸学
研究実績の概要

青果物ロスは、収穫後における鮮度や品質の低下に起因することから、それらを客観的に評価するための手法を最初に検討しておく必要がある。そこで初年度は、光センシングによる青果物品質の非破壊評価法について検討を行った。非破壊品質評価で最も簡便かつ迅速な方法は、可視光センシングによる外観評価である。具体的には、対象となる試料に白色光を照射し、反射光をデジタルカメラで撮影するものである。
試料は鮮度低下が外観に現れやすく、デジタルカメラによる色彩評価が容易なブロッコリーを選択した。これを色評価台(PIAS IS-500カラービューワ、杉浦研究所)に設置し、USBカメラ(FMVU-13S2C-CS, Point Grey Research Inc.)にレンズ(13FM06IR, ㈱タムロン)を装着した装置にて撮影した。画像は全てFlyCapture (Point Grey Research Inc.)にてWindows bitmap (bmp)形式で保存し、ColorChecker Classic (X-Rite, Inc.)で校正した後、MATLAB ver. 8.3.0.532 (MathWorks Inc.)で関心領域(ROI)の平均色空間値を算出した。なお、色空間値として、機器に依存しない普遍性のある値であるL*a*b*値を選択した。併せて、従来から外観の非破壊評価に使用されている色彩計(CM-700d、コニカミノルタ㈱)でもROIのL*a*b*値を測定し、USBカメラによる測定値と比較検討した。
USBカメラで測定した色空間値は、色彩計での値と有意差が認められず、ブロッコリー外観の迅速な非破壊計測に有効であると考えられた。特に、USBカメラによる方法は、色彩の空間分布を把握することが可能であり、測定精度が同程度であれば、情報量や利便性の面で、色彩計よりも優位な手段と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度はブロッコリーを試料として外観品質の迅速非破壊評価法を明らかにした。青果物の貯蔵実験において、品質評価は最も重要な項目の一つであり、有効な評価法が明らかになったことは、研究は大きく進展したと考えられ、おおむね順調に進展していると考えられる。
試料として選択したブロッコリーは、他の品目とは異なり、外観品質が不均一である。その評価は極めて困難であり、これが可能になったことは、今後他の品目にも、今年度の成果が容易に適用可能であることを示唆する。

今後の研究の推進方策

貯蔵実験に必要な品質評価法として、簡便かつ迅速な方法が明らかになった。今後は当該手法を有効に活用し、貯蔵実験を行う。具体的には、3次元輸送シミュレータ―にて青果物を貯蔵し、外観品質を目的変数、温度、振動、気体組成を説明変数とする鮮度低下速度予測モデルを構築する。

次年度使用額が生じた理由

野菜の成分分析の際に用いる高速液体クロマトグラフィー用の移動相が予定よりも安価であったため、物品購入費の支出額が少なくなった。

次年度使用額の使用計画

上記移動相を変更したため、今後データの正確性を慎重に検討する必要がある。そのためには実験の繰り返し数を増やす必要があり、今後移動相の購入量・購入額が増えることが見込まれる。ついては、次年度使用額と翌年度分として請求した助成金を合算した費用を執行して研究を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] ジョンズ・ホプキンス大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ジョンズ・ホプキンス大学

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公開日: 2017-01-06   更新日: 2022-10-19  

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