研究課題
本年度は研究完成年度として、これまでの研究成果の発表に力点をおいた。まず、日本法社会学会において、ミニシンポジウム「『諫早湾干拓紛争』 の諸問題――法学と政治学からの分析」として、研究代表者およびすべての研究分担者が報告を行った。報告内容は、「リスク社会における紛争処理」、「民事裁判による紛争解決とその限界」、「紛争処理システムとしての裁判制度の意義と限界」、「紛争をめぐる政治部門と裁判所」、「大規模公共事業をめぐる行政過程と行政訴訟・民事訴訟」,「諫早湾干拓紛争をめぐる裁判における因果関係判断の検討」、「民事紛争処理手続の今後の課題」であり、いずれもこれまでの研究の現段階での成果である。次に、このそれぞれの報告をもとに、法律専門雑誌において「諫早湾干拓紛争の諸問題」を発表した。この雑誌特集においては、上記の報告を活字化するとともに,戦後すぐからの諫早湾干拓の歴史、潮受堤防設置後の問題、多くの訴訟や裁判手続などを、読者に理解してもらうために図表などを用いて簡潔にまとめた上で、開門派と非開門派双方の弁護士へのインタビューを加えた。また、これらの発表と平行して、当事者である漁業者や、訴訟において非開門派当事者だったが開門派に転向した営農者などをインタビューするなど、弁護士だけでなく当事者の声を集める作業に着手した。研究期間全体を通じて、諫早湾干拓紛争の複雑な経緯を、民事法学者、法社会学者、政治学者、公法学者など、多方面からのアプローチを行い、なぜこの紛争が継続し続けているのか、という問題意識から、現代の裁判・法・政治制度、それぞれの限界を明らかにするとともに,それぞれの分野における紛争概念のズレおよび個々の当事者の有する紛争概念の多様性を検証した。
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法律時報
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第27回海洋工学シンポジウム予稿集(OES27-039)
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