研究実績の概要 |
今年度の研究実績は以下二本の論文が、国際関係論の最高峰のトップジャーナルおよび政治学における理論研究の分野別トップジャーナルに出版決定したことに集約できる。 [1] “Signaling and Perception in International Crises: Two Approaches,” Forthcoming, Journal of Theoretical Politics. [2] “Detecting Audience Costs in International Disputes” (with Taehee Whang), International Organization, 69 (4), Fall 2015, pp. 949-980. この研究課題に当初は記載しなかったが関連する研究(紛争研究)の実績として、以下二本の論文が刊行ないし刊行が決定した。 [3] “Japan’s Changing Defense Posture and Its Implications for Security Relations in East Asia” (with Andrew Capistrano), Korean Journal of International Studies, 14 (1), April, 2016, pp. 77-104. および [4] “A Signaling Game of Collective Self-Defense in the U.S.-Japan Alliance.” In Okada Akira and Suzuki Motoshi, eds., Games of International Conflict and Cooperation in Asia, Springer, 2016.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Kelly Matushとの共著論文[9]の分析を進める中で学会発表に対して得たフィードバックの結果、データの拡張が必要であるとの結論に達し、現在、研究補助者を2名雇用してさらなるデータ拡張を行っている。これは当初予定していなかった作業であるが、“Diplomatic Exchange in Europe, 1816-1914”と“American Diplomatic Relations, 1816-2006”という我々が既に収集したデータを拡張するものである。完成すれば上記論文[9]がより大きなインパクトを外交研究に与えるだけではなく、国際政治研究一般に広く重要なインフラを提供することにもなる。したがって、上記論文[9]は拡張データセットの完成まで作業を停止している。
同様に、Taehee Whangとの共著の"Inferring Secret Diplomacy"という論文は、同じくWhang氏との共著論文"Democracy, Information, and Audience Costs"に基づくものであるため、前者を先にどこかの雑誌で採択される必要があるため進捗を停止している。
Diplomacy, Precrisis communication, and Warという論文も数年前に完成し、トップジャーナルの投稿したものの採択には至らなかった。そこで次のジャーナルに投稿すべきであるが、なかなかそこまで手が回らず放置状態である。ただし、この論文は大きなブレークスルーは提示しないが、大事な「ノーマルサイエンス」としての貢献を行っているので、必ず出版しなければいけないし、世界のあちらこちらから問い合わせが来ている。
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今後の研究の推進方策 |
Kelly Matushとの共著論文である"Willing to Talk?"の分析をさらに進める。これと同時に学会での研究発表に対するフィードバックの結果、データの拡張が必要であるとの結論に達し、現在、研究補助者を2名雇用してさらなるデータ拡張を行っている。また、Shuhei Kurizaki “Diplomacy, Precrisis communication, and War” という完成論文を長年放置していることからこれを早急にQJPSに投稿する。論文[9]は10月にノートルダム大学で開催される研究会議に招かれ雑誌の特集号に含めるという約束をしているため早急に仕上げる必要がある。また論文[8]も同様にアジアで初めて開催されるPeace Science Societyの研究会議に招待され、9月初頭の全米政治学会の年次大会での報告も決定しているため早急に仕上げる必要がある。
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