研究課題/領域番号 |
15KT0050
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
栗崎 周平 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (70708099)
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研究分担者 |
小野 浩 一橋大学, 大学院国際企業戦略研究科, 教授 (80747981)
石田 淳 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90285081)
広瀬 健太郎 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (90764738)
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研究期間 (年度) |
2015-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 紛争研究 / 平和研究 / ゲーム理論 / データ分析 |
研究実績の概要 |
紛争研究の理論的そして実証的研究を積み重ね、なかでも従前の国際政治理論の中で多数派を占め主要な理論のコアとなってきた現実主義なかでも、軍事力を用いて平和あるいは秩序を創出するというパラダイムに、分析枠組みとしては踏襲しつつも、実証的知見や均衡結果として、軍事的な力に拠らない、平和的な戦略による平和の創出を見出すことを提示していくことを研究課題の主目的としている。その結果、後世では東京スクールを形成するに至る嚆矢となることを背景的な動機としても持っていた。その目的に照らして、今年度も、研究プロジェクトの各メンバーが精力的に国際査読誌と国際学会を主戦場に研究活動を続けてきた。その成果は、海外査読誌や国内学会誌、そして国内外の学会報告など精力的に行ってきた。メンバーの中ではタイミングよく論文が当該年度に出版されたものもいれば、今年度は実質的な研究活動や論文執筆に多くを費やし、その成果の刊行は次年度以降に持ち越すことになったプロジェクトを多く抱える者もいた。
加えて今年度は、東京スクールの形成ということを主眼に、一つの学術的なモメンタムを形成するためにも、国際研究集会を早稲田大学で開催した。これは本プロジェクトのメンバーによる研究成果の報告を目的とするのではなく、次世代の研究者を育成するとともに、実証的および理論的な紛争平和研究の現在の課題と将来の展望を共有し確認することを目的とするものであった。国際公募で報告者を募り、国内外から紛争研究の実証と理論研究の第一人者を討論者として大勢招くという形式をとった(たとえば国内からは飯田敬輔東大教授、石田淳東大教授、鈴木基史教授にお越し頂いた)。討論者としては米国スタンフォード大学からKenneth Schultz 教授とJames Fearon教授を招聘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度も、研究プロジェクトの各メンバーが精力的に国際査読誌と国際学会を主戦場に研究活動を続けてきた。その成果は、海外査読誌や国内学会誌、そして国内外の学会報告など精力的に行ってきた。メンバーの中ではタイミングよく論文が当該年度に出版されたものもいれば、今年度は実質的な研究活動や論文執筆に多くを費やし、その成果の刊行は次年度以降に持ち越すことになったプロジェクトを多く抱える者もいた。昨年までには国際関係論におけるトップジャーナルに研究代表の栗崎の論文が掲載され、今年度には研究分担の広瀬の論文が平和研究のトップジャーナルに論文を掲載するのみならず、それが優秀論文賞を受賞した。同じく研究分担者の小野は数多くの論文を国際査読誌に掲載している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様に各メンバーが旺盛に研究活動を進めていくことに尽きる。国際査読誌を主戦場としているため、多くの研究が未だ刊行されずにワーキングペーパーとして、あるいは学会論文としてのみ発表されていないが、各プロジェクトは画期的な分析結果を得ている。今後はそのような分析結果や知見を確実に海外学術誌での査読を通るように精力的に論文執筆に際して内容を充実していくことが求められる。
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次年度使用額が生じた理由 |
刊行を予定していた研究成果が国際専門誌において査読が長引いており、掲載の採択決定がまだ出ていない。そのためオープンアクセス料として予定していたものが、遅くなっている。次年度において刊行が決定されて場合は、オープンアクセスの料金として支出するが、仮に掲載の採択が得られず年度内での刊行が見いだせない場合は、さらなる研究の改訂(とくに追加のデータ収集など)が必要となるためその場合は研究補助者の人件費として支出することで、研究を推進する計画である。
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