法双曲的不変多様体の崩壊と呼ばれるカオス理論の概念を用い,系全体のエネルギーの増大とともに反応の経路が反応座標から非反応座標へと切り替わる新奇な分岐現象を見出すとともに、一様な電場と磁場を直交させた状況下で水素原子から電子が解離する反応を例にその実験的な検証方法を提案した。この他、反応ネットワーク上に定義された任意の分断面のなかでその往来の時間スケールが最も遅いものを「反応を支配する遷移状態」として定義し、複雑な反応時間の階層構造を抽出する方法などを新たに開発した。理論、実験において反応制御に対する新しい指針を提出することに成功した。
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