近接効果を利用した触媒的な結合形成反応の開発を行った。最初に、アジド部位を有する共役ジインの金触媒連続環化による縮環カルバゾール骨格構築法を開発し、ディクチオデンドリン類の多様性指向型合成と創薬展開を実施した。引き続き、アクアミリンアルカロイドの基本骨格中に存在する四環性インドリン骨格の効率的構築法を開発し、ストリクタミンの形式全合成を達成した。さらに、金触媒を用いたスキップジインおよび1,4-ジイン-3-オンの連続環化反応の開発も行った。これらの成果は、金触媒を用いたアルキンの活性化を基盤とする多様な複素環骨格構築反応において、近接効果が極めて有用であることを明確に示している。
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