光学活性ブレンステッド酸によって基質を活性化し、金属担持触媒で水素分子を活性化する、新しい二元触媒系を着想し、それを利用してキノリンやイミンの触媒的不斉水素化を試みた。 様々な光学活性ブレンステッド酸と金属担持触媒を用いて、2-フェニルキノリンの水素化を試みたところ、光学活性ビナフチル構造をもつホスホン酸あるいはスルホンイミドを利用した場合に、このキノリンがエナンチオ選択的に水素化できることがわかった。特に、3,5-ジ(t-ブチル)フェニル基をもつスルホンアミドが最も高いエナンチオ選択性を示し、低収率ながらも36% eeで目的の水素化生成物を与えることを見出した。
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