研究課題
本研究課題では、網羅的にIRCや遷移状態を求めるのではなく、核の量子揺らぎも含めた有効自由エネルギー超曲面における1.量子論的遷移状態および量子論的反応経路を新たに構築・提唱した。特に初期経路依存が小さい探索手法としてストリング法、さらにはそれを発展させた手法を開発し、効率的なシステム実装も行った。本手法により、様々な反応系における2.量子論的遷移状態の探索および遷移状態制御による設計指針を与え、実験グループにフィードバックした。特に本年度は今までの三年間のまとめとして、以下の項目を実施した。1.量子論的遷移状態および量子論的反応経路の確立: 本年度は、平面波局在混合基底系ONIOM計算手法のプログラム実装、整備、および高度化を行った。ストリング法と多成分系分子軌道法・多成分系密度汎関数法との組み合わせたプログラム整備および高度化を行った。2.量子論的遷移状態の探索および遷移状態制御による設計指針: 1.で開発した手法・プログラムを用いて、分子内水素転移反応や水素引き抜き反応に対する量子論的遷移状態を探索することに成功した。具体的には、様々な有機分子とHTO分子におけるHT交換反応に関する高精度計算を実施し、本研究成果をBCSJ誌に報告した。またHOSO + NO2反応における水分子の役割を量子論的に解明し、その研究成果をIJQC誌に報告した。金属表面における水素吸着機構に関するH/D同位体効果に関する計算も実施した。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
Bulletin of the Chemical Society of Japan
巻: 92 ページ: 592~599
10.1246/bcsj.20180308
Journal of Computational Chemistry
巻: 40 ページ: 172~180
10.1002/jcc.25562
International Journal of Quantum Chemistry
巻: 119 ページ: e25895~e25895
10.1002/qua.25895
巻: 39 ページ: 2060~2066
10.1002/jcc.25387
Chemistry - A European Journal
巻: 24 ページ: 9130~9135
10.1002/chem.201801376
The Journal of Organic Chemistry
巻: 83 ページ: 5132~5137
10.1021/acs.joc.8b00495
RSC Advances
巻: 8 ページ: 17191~17201
10.1039/C8RA02679C
Physical Chemistry Chemical Physics
巻: 20 ページ: 9115~9122
10.1039/C8CP00284C
Chemical Communications
巻: 54 ページ: 3335~3338
10.1039/c8cc00695d
Communications Chemistry
巻: 1 ページ: 14-14
10.1038/s42004-018-0014-2
Langmuir
巻: 34 ページ: 2189~2197
10.1021/acs.langmuir.7b03451
巻: 8 ページ: 3878~3888
10.1039/C7RA13110K
巻: 20 ページ: 1673~1684
10.1039/C7CP06401B
Computational and Theoretical Chemistry
巻: 1123 ページ: 135~141
10.1016/j.comptc.2017.11.023
http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~tachi/