研究課題/領域番号 |
15KT0077
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
五島 剛太 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20447840)
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研究期間 (年度) |
2015-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | スピンドルタンパク質精製 |
研究実績の概要 |
1) In vitroでのスピンドル組み立てに用いる予定のタンパク質を概ね精製 我々は2007年に、欠失によりスピンドル形態に異常が生じる205遺伝子をショウジョウバエS2細胞で同定したが、そのうち機能的なスピンドルの最少単位を構築するのに十分と考えられる約10のショウジョウバエタンパク質の精製プロトコルを確立した。この中には、スピンドル微小管のプラス端動態を制御するEB1、センティン、Minispindles(XMAP215オルソログ)、Mast/Orbit(CLASPオルソログ)、Klp10A(キネシン13)、Klp67A(キネシン8)や、スピンドル微小管同士の架橋に必要なKlp61F(キネシン5)、Ncd(キネシン14)、Asp(ASPMオルソログ)、D-TPX2(TPX2オルソログ)、さらには、これらの因子の活性をリン酸化により制御すると思われるPoloキナーゼ、オーロラBキナーゼ複合体が含まれる(Aspを除いて全長タンパク質の精製に成功した)。さらには、ショウジョウバエ培養細胞から、in vitro微小管動態アッセイに使用するのに十分な量のチューブリンも精製できた。
2)細胞内濃度の見積り 上記のタンパク質のうち、チューブリン、EB1、センティン、Minispindles、Mast/Orbit、Klp10Aについては、特異的抗体を用いて、細胞内でのおよその濃度を見積もった。具体的には、精製したタンパク質とショウジョウバエS2培養細胞の抽出液を並べてSDS電気泳動したのち、ウェスタンブロットを行い、バンドの強度を測定・比較した。球形とみなしたS2細胞の直径と細胞核の直径を測定後、細胞質の容量を見積もることで、細胞質内のタンパク質濃度をおおまかに見積もった。この情報をのちの試験管内再構成実験に役立てる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、スピンドル再構成に用いる複数のタンパク質の精製法を確立できたため。
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今後の研究の推進方策 |
プロトコルを確立した精製タンパク質を使い、スピンドルのいくつかのパーツの再構成を個別に進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品にかかる費用を節約できたため未使用額が生じた
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品購入に使用予定
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