上皮成長因子受容体 (EGFR) による細胞膜情報処理システムの再構成系を開発し、情報伝達の分子機構を解明することを目的した。再構成系は直径10~15 nmの微小平面膜であるナノディスクを基盤として作成した。ナノディスク作成法を確立し、特にEGFRの膜貫通-膜近傍領域ペプチドの再構成系による1分子構造ダイナミクス計測から、2量体化が酸性脂質PS, PIP2と膜近傍領域の相互作用によって誘起されること。膜近傍領域T654のリン酸化は酸性脂質との相互作用を介して2量体形成を阻害すること。膜のコレステロールは2量体化を促進するが、異なる構造を持つ可能性、などが示唆された。
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