本研究では、第1に高齢漁業者のなかでも超高齢と言える80才前後の高齢漁業者や引退漁業者への面談調査を通じて漁業の継続動機・引退動機を明らかにした。積極的な継続・引退とやむを得ずの継続・引退がある。第2に漁業センサス分析を通じて、高齢漁業者の多くは男子1名ないし夫人と2名で操業しており、子息と同居しているケースも少ないことを明らかにした。高齢化により限界集落化する漁業地区で漁業生産を継続していくためには、地区外からの新規参入者を受け入れることも必要である。この点で、第3の研究成果である高齢漁業者が地区外者の受け入れを決断し、技術を継承し、生活面での支援まで行っている三重県の2事例を抽出した。
|