研究実績の概要 |
機械学習モデルの特異統計構造と代数解析アルゴリズムの研究・開発に関する研究を行った。29年度は, 主に複素領域における特異性解析を行うためのアルゴリズムの研究・開発と特異統計モデルのsemi-algebraic setとしての構造の研究を行った。 機械学習モデルに現れるvarietyは一般に多くのパラメータを含むため, varietyの特異性の解析もパラメータを含む場合を想定してアルゴリズムの研究・開発をする必要がある。本年度は, Poincare-Birkhoff-Witt代数がパラメータを含むような場合に対しcomprehensive Groebner基底の理論を構築できることを示し, その応用として, varietyの族に対するBernstein-Satoイデアルとそれに付随したパラメータ付きのホロノミーD-加群を求めるアルゴリズムを導出・実装した。また, varietyに対する, Budur-Saitoの意味の b-関数を求めるアルゴリズムの研究に着手した。孤立していなような特異点を持つvarietyの特異性の解析においてlocal Euler obstructionは重要な複素解析的な不変量である。Comprehensiveグレブナsystemに基づくパラメータ付きのsaturationを求めるアルゴリズムとparametric local cohomlogy systemに基づくHilbert-Samuel multiplicityの計算アルゴリズムを用いることで, 非孤立特異点を持つ超曲面に対しそのlocal Euler obstructionを求めるアルゴリズムが構成できることを示した。 ベイジアンネットワークのsemi-algebraic setとしての構造に関する研究を行ったが, 本年度は, 論文として発表する結果を得るには至らなかった。
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