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2016 年度 実施状況報告書

トロピカル数学を用いた脳磁図の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15KT0105
研究機関東京大学

研究代表者

植田 一石  東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (60432465)

研究分担者 小林 健太  一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (60432902)
石井 聡  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (90587809)
研究期間 (年度) 2015-07-10 – 2019-03-31
キーワード脳磁図 / コンピュータービジョン
研究実績の概要

本研究の目標の一つは、脳磁図に新規の数学的手法を適用することで、脳の様々な状態を判別することである。これに向けて、今年度はいくつかの異なる状態にある被験者の脳磁図を測定した上で、それを分離・識別するための手法について研究を行った。基本的なアイデアは、脳の状態を脳磁図の空間の上の確率分布としてモデル化し、そこに情報幾何的な手法を適用する事である。研究課題名に現れる「トロピカル数学」は、情報幾何において自然にアファイン構造が現れ、その上で区分線形性が意味を持つことと、代数統計学とトロピカル幾何学に密接な関係があることから来ている。このアイデアに基づいて、測定した脳磁図にいくつかの手法を試してみたが、脳磁図の空間の上の確率分布の空間が非常に次元の高い空間になり、それに比べると標本の数がどうしても少なくなるため、取り扱いが難しく、意味のある結果を得るには何らかの方法で次元を下げる必要があるという認識に至った。そこで次に、高次元のデータの低次元への射影について考察を行い、その文脈でコンピュータービジョンにおける再構成問題に興味を持った。これは高次元から低次元への射影を複数用意して、その像からもとの高次元の対象を復元する問題であるが、これに韓国高等科学院の三浦真人氏及び京都大学理学研究科の伊藤敦氏と共同で取り組み、代数幾何的な手法を用いることによって新たな進展が得られた。これについては論文を準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

直ちに脳磁図に応用できる手法の開発にはまだ至っていないが、問題の理解が進んだことに加えて、コンピュータービジョンと代数幾何が交差する分野で新たな進展があるなど、周辺分野での成果もあり、全体として研究は概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

現在進展中のコンピュータービジョンと代数幾何の交差する分野における研究を更に進め、論文にまとめた後で、脳磁図への応用を研究する。

次年度使用額が生じた理由

数理的な側面に重点を置いて研究を行い、実験のために想定していた経費を使用しなかったため。

次年度使用額の使用計画

研究打ち合わせや研究発表の旅費に用いる計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Neural mechanisms to predict subjective level of fatigue in the future: a magnetoencephalography study2016

    • 著者名/発表者名
      Akira Ishii, Masaaki Tanaka, Yasuyoshi Watanabe
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 6 ページ: 1-9

    • DOI

      10.1038/srep25097

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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