研究課題/領域番号 |
15KT0118
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内記 香子 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (90313064)
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研究期間 (年度) |
2015-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | エコラベル / 認証制度 / プライベート・レジーム / 持続可能性 / 漁業認証 |
研究実績の概要 |
平成27年度は2つのことを行った。まず先行研究のレビューを行い、どのような研究がなされているのか、とりわけ日本においてどのような研究が求められているのか、について調査を行った。研究の当初は、農産物・水産物・オーガニック食品等、研究対象分野を特定せずに研究を進める予定であったが、対象を特定したほうが、研究を効率的に進め、深めることができると考え、持続可能な水産物・シーフードのラベルに集中することとした。水産物は、日本にとって、重要な食である一方、乱獲による水産物の枯渇が懸念されるところ、研究対象として適していると考えた。先行研究についても、水産物に関するエコラベルに集中してレビューを行ったところ、地域的には米国におけるエコラベルの普及に関する先行研究が多いことが分かった。 次に、水産物エコラベルに関するプライベート・レジームに対して、インタビュー調査を開始した。水産物については、世界的によく知られた、Marine Stewardship Council(MSC:海洋管理協議会)がエコラベルと認証活動を展開していることから、MSCから調査を開始した。まず在シンガポールのアジア・オフィスからインタビューを始め、ロンドン・オフィス、トロント・オフィス、東京・オフィス、そしてシアトル・オフィスを訪問した。その結果、世界各国でエコラベルの普及の度合いにかなり違いがあることが分かった。その背景には、流通・消費される魚の種類やエコラベルの利用への理解等、様々な要因があると考えられるが、欧州ではMSCエコラベルはかなり普及しているが、米国・カナダでは、ライバルとなる別のラベルとの競争があり、日本・アジアにおいては、エコラベルに対する理解がいまだ進んでいない状況であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の対象を、水産物エコラベルに絞ったことで効率性は上がったと思われるが、エコラベル自体の研究が多くなく、プライベート・レジームの活動も日本の国外で発展していることから、インタビュー調査に当初想定していたよりも時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度のインタビュー調査から得た情報として、MSCラベルに対抗するライバル関係のラベルが、アメリカやカナダで普及していることが分かった。これは、ラベルの乱立状況と捉えることができる。本研究の目的として、乱立状況の抑制を検討するということがあるので、この乱立状況がなぜ起こっているのか、まずは原因の調査を中心に来年度は進めていきたい。
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