研究課題/領域番号 |
15KT0136
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
宮脇 昇 立命館大学, 政策科学部, 教授 (50289336)
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研究分担者 |
山本 武彦 早稲田大学, 政治経済学部, 名誉教授 (10210535)
浦部 浩之 獨協大学, 国際教養学部, 教授 (30306477)
玉井 雅隆 立命館大学, 政策科学部, 非常勤講師 (60707462)
平川 幸子 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 助教 (80570176)
上久保 誠人 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (80571075)
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研究期間 (年度) |
2015-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 資源 / 民族 / 民主主義 / LNG / 呪い |
研究実績の概要 |
紛争研究における資源通過国の分析を進める際に、「民主的平和論」「天然資源の呪い」の2点を中心に本研究における基礎的な分析枠組みを構想するべく、打ち合わせを開催した。すなわち資源通過国の民族構成と資源生産・通過・消費国の政治体制を独立変数とした新たな分析枠組みを研究分担者・協力者により模索した。特に通過国内の民族構成が各国の政治過程にいかに反映されまた利益が再分配されているかを検討した。 一般的に、この過程に為政者が敏感なのは、民族の集団的権利の主張が資源通過問題についてなされやすく為政者が世論からの支持調達を必要とするためでもある。環境紛争やロシア政治の観点から、共通の国際政治経済・比較政治理解を形成した。またとりわけ旧ソ連の民族問題に詳しい専門家の意見もふまえ、民族構成比率の分析と政治過程への関与のモデルの枠組みを議論した。同時に、研究会での報告を行い、インターディシプリンの多角的視点を獲得した。あわせて資源に関する成果を各代表・分担者が論文等の形で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、分析枠組みの形成を初年度に開始し、2つの仮説の検討を行った。国内外で成果発表の準備を着実に進めており、フィードバックも期待される。
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今後の研究の推進方策 |
第一仮説の分析に着手する。すなわち「民主的平和モデル」の妥当性を詳細に検証すべく、複数の争点を事例研究から抽出する。例えば1990 年代のエリツィン政権期から2000 年代以降のプーチン政権にかけてロシアの民主主義(あるいは非民主主義)は「選挙王政」と称されるほど大きく変容を遂げた。同様に、ウクライナやベラルーシの体制変化を勘案する。これらの各政権における資源生産・通過外交を現地調査を踏まえて分析する。 同時に第二仮説の「呪い・民族構成モデル」を検証するべく、現地調査を行う。これらの調査に際し、平成27 年度同様、研究協力者の助力を得る。また国内外の学会等での研究発表を通じて、成果の発信とフィードバックの機会を創出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の採択が2015年9月であり、2015年度後半期において研究活動の組織化を推進するにあたり、事例の収集と分析の方法についての研究の起動に要する時間が予定より多くなったため、次年度使用額が発生している。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度において海外の事例の現地調査や研究訪問、加えて国内外の学会での成果発表を加速することにより、次年度使用額の使用を計画的に実施する。
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