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2019 年度 実績報告書

資源通過国の資源紛争当事者化についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 15KT0136
研究機関立命館大学

研究代表者

宮脇 昇  立命館大学, 政策科学部, 教授 (50289336)

研究分担者 山本 武彦  早稲田大学, 政治経済学術院, 名誉教授 (10210535)
浦部 浩之  獨協大学, 国際教養学部, 教授 (30306477)
玉井 雅隆  東北公益文科大学, 公益学部, 准教授 (60707462)
平川 幸子  早稲田大学, 留学センター, 准教授(任期付) (80570176)
上久保 誠人  立命館大学, 政策科学部, 教授 (80571075)
湯浅 剛  広島市立大学, 付置研究所, 教授 (80758748)
研究期間 (年度) 2015-07-10 – 2020-03-31
キーワード資源 / 資源通過 / 民主主義 / 民族問題 / パイプライン / 接続性 / 内陸国 / OSCE
研究実績の概要

本研究では、政治体制、民族比率の2つの作業仮説を検討することを通じて、資源通過国が紛争当事国となる蓋然性・潜在性について研究してきた。最終年度である平成31年度においては、焦点をあてた新規性の高い紛争研究として、体系化した包括的プラットフォームを形成するべく、研究の成果(2つのモデル)と処方箋を集大成した研究成果として、過年度の各学会報告等における議論をふまえて、法律文化社より『資源地政学』を発刊した。発刊に先立ち、研究分担者、協力者による研究会を開催し、知見の十分な共有を図った。この成果発信を通じて、資源通過国の資源当事者化を回避する斬新な知見を広く世に問うことがかなった。
具体的には、「内陸国は、公海の自由及び人類の共同の財産に関する権利を含むこの条約に定める権利の行使のために海への出入りの権利を有する。このため、内陸国は、通過国の領域においてすべての輸送手段による通過の自由を享有する。」(海洋法条約125条)とされ「通過運送に対しては、いかなる関税、租税その他の課徴金も課してはならない」(同127条)に補われる形で、通過の自由は完全なものに見えるにもかかわらず、現実には、内陸国には資源輸送にあたっての桎梏がある。例えば沿岸国において非関税障壁あるいは地方税等が課せられることが多く、同条の内容の実行は、内陸国と沿岸国の二国間合意次第である 。大局的にいえば、1)海軍力不在ゆえの軍事不均衡による同盟の停頓、2)貧弱な接続性に起因する多くの貿易障壁と貿易不均衡が内陸国に見られる。なぜ内陸国は、軍事的にも経済的にも沿岸国に優れないのか。そこには内陸性に起因する限界があるのではないか。これを代表者は「内陸国の罠」と呼ぶ。こうした状況をはじめ世界各地の事例を2つの仮説をもとに分析したものが本書である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 2014年ウクライナ議会選挙と東西地域性―OSCE選挙監視団への参加もふまえて―2020

    • 著者名/発表者名
      浦部浩之
    • 雑誌名

      マテシス・ウニウェルサリス

      巻: 21 ページ: 1-30

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Reviewing the Twenty Years of Japan's "Human Security": From Elusive Theory to Sharp Practice2020

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Hirakawa
    • 雑誌名

      アジア太平洋討究

      巻: 39 ページ: 93-104

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 国際選挙監視活動と2014年ウクライナ大統領選挙―OSCE選挙監視団への参加もふまえて―2019

    • 著者名/発表者名
      浦部浩之
    • 雑誌名

      マテシス・ウニウェルサリス

      巻: 21 ページ: 1-25

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 地域対話におけるモンゴルの役割 欧州の経験から2019

    • 著者名/発表者名
      宮脇昇
    • 学会等名
      鹿児島大学島嶼研シンポジウム
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 2017年チリ選挙―選挙制度改革はどこまで政党制を変えるのか―2019

    • 著者名/発表者名
      浦部浩之
    • 学会等名
      日本ラテンアメリカ学会・第40回定期大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 南米大陸の内陸国ボリビアとパラグアイの安全保障とエネルギー2019

    • 著者名/発表者名
      浦部浩之
    • 学会等名
      立命館大学国際地域研究所重点プロジェクト主催シンポジウム「資源と環境にみる内陸国の安全保障」
    • 招待講演
  • [学会発表] Japan’s Perspective on FOIP(S): Formation toward “International Public Goods2019

    • 著者名/発表者名
      平川幸子
    • 学会等名
      The Korean Association of International Studies
    • 国際学会
  • [図書] 資源地政学2020

    • 著者名/発表者名
      稲垣 文昭、玉井 良尚、宮? 昇、山本 武彦、玉井 雅隆、平川 幸子、上久保 誠人、浦部 浩之
    • 総ページ数
      186
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      458904059X
  • [図書] "新 世界の社会福祉 10:中南米(担当部分:チリにおける社会保障・社会福祉制度の形成と展開―先進国2020

    • 著者名/発表者名
      浦部浩之(宇佐見耕一編、担当部分は単著)
    • 総ページ数
      201-229
    • 出版者
      旬報社
    • ISBN
      9784845115983
  • [図書] 現代地政学事典2020

    • 著者名/発表者名
      浦部浩之(現代地政学事典編集委員会編)
    • 総ページ数
      888
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621304631

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公開日: 2021-01-27  

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