研究成果の概要 |
気相あるいは溶液中の小規模な分子系に限られていた従来の遷移状態研究の枠を越え, 固体(結晶)における化学反応や分子運動の遷移状態を制御する手法を開拓した. 結晶性分子ジャイロスコープは外部骨格(固定子)に保護された環(回転子)を持ち, それが結合を軸として回転する. 回転子の挙動を瞬時に制御できれば, 高速に動作する光学材料としての応用が見込まれる. かご状固定子と極性回転子を持つ分子ジャイロスコープに着目し, 結晶構造の再現と回転ポテンシャル障壁の評価に成功した. 更に, 熱/光誘起内部回転シミュレーションを行い, 赤外光の照射によりnsの時間スケールで環の回転を駆動できることを見出した.
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