| 研究課題/領域番号 |
15KT0144
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
小野田 晃 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (60366424)
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| 研究期間 (年度) |
2015-07-10 – 2019-03-31
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| キーワード | 水素化反応 / 鉄ヒドリド / 鉄バイオ触媒 |
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| 研究実績の概要 |
エネルギー・環境問題の克服が世界的に求められる中、環境負荷低減、資源的に豊富な元素の利用、光エネルギーの利用、を達成した上で、社会で求められる物質を高効率に変換する触媒系を開拓することが必須である。重要な物資変換方法であるオレフィン、イミン、カルボニルの水素化反応の均一系触媒として、Rh 錯体のWilkinson 触媒、Ir 錯体のCrabtree 触媒、Ru錯体の野依触媒を代表に多数の錯体が開発されているが、いずれも貴金属錯体のため、資源的に豊富な金属への移行を目指す必要がある。本研究は、次の段階として水を水素源、かつ光エネルギー利用を視野に入れた、環境負荷低減型の水素化反応を実現するFeバイオ触媒の開発に取り組んだ。昨年度までに、鉄二核のジチオラート架橋配位子の末端にマレイミド部を導入したFe 二核錯体触媒を、強固なバレル構造内に疎水的なキャビティーを有するニトロバインディンのGln96Cys変異体 (Q96C-NB) のCys とマレイミド基の付加反応により固定したFe二核バイオ触媒の調製をした。この第一世代のFe二核バイオ触媒から、鉄二核錯体のジチオラート架橋配位子をアザジチオラートに変換した第二世代Fe二核バイオ触媒において、水素発生活性を向上することを踏まえ、本年度は、第二配位圏にプロトンシャトルとなるアミノ酸残基を適切な位置にグルタミン酸やリジンなどの残基を導入した第三世代Fe二核バイオ触媒を作製し、さらに活性向上が可能であることを見出した。また、これらのバイオハイブリッド触媒の構造解析や計算化学を実施し、活性向上の要因を明らかにした。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
アザジチオール配位子に変換したFe二核バイオ触媒の活性中心近傍にグルタミン酸残基やリジン残基を変異導入することによって、プロトンシャトルとして作用可能であり、水素発生反応がさらに加速されることを見出し、その要因を構造的知見も踏まえて明らかにすることに成功しており、当初の計画以上に進展した。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、アザジチオール配位子に変換したFe二核バイオ触媒の活性中心近傍にグルタミン酸残基やリジン残基を変異導入に加えて、さらに外圏に、プロトンシャトルとなるアミノ酸残基の導入し、水素発生反応がさらに加速される触媒を探索する。また、鉄ヒドリドの生成が効率的に進む鉄バイオ触媒において、結晶状態で中間体を捉えることを追及したいと考えている。また、第二および第三世代のFeバイオ触媒の水素化反応活性を活用して、有機基との反応についても実施を予定している。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
繰越申請後の修正計画にしたがって、バイオハイブリッド触媒の調製に取り組んだところ、予定よりも多種類のタンパク質サンプルを検討する必要が生じたため、当初予算を超えて使用する結果となった。次年度は、計画にそって活性評価を実施する。
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