細胞核内の「染色体テリトリー」がどのような仕組みで核内空間に配置されているのか、テナガザル科における核型高速進化の現象に着目し、進化的転座切断部位(ECBs)の放射状核内配置を3D-FISH法により解析し、検討を行った。ECBsが核内空間にランダムで一様に分布する場合は、自己組織化・ランダム分布モデル、特定の放射状ゾーンで顕著に転座が生じている場合は、制御因子誘導モデルと呼ぶことができるが、実験結果より、前者の「自己組織化・ランダム分布モデル」が適用されるものと考えられた。RバンドとGバンド領域の放射状分布がわずかに異なること、反復配列のシグナル強度が核中心付近で増強している傾向が見出された。
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