研究課題
基盤研究(C)
ニワトリ胚肢芽を用い細胞レベルから器官全体のレベルにおける変形の定量解析を行った。その結果、細胞の増殖や細胞集団における組織変形の異方性といった形態変化時の特徴量を定量的に取得する事に成功した。シミュレーションにより肢芽の形態形成には、肢芽全体に渡ってみられた組織変形の異方性が重要である事が分かった。これらの結果から、細胞-組織-器官の階層性を超えた統合的な器官全体の形態形成のメカニズムを理解するための方法論を構築出来た。
発生生物学
これまでは脊椎動物の器官全体といった大きなスケールの形の出来方は研究する手法が無かった。今回我々は、細胞の動きや細胞の動きを制御しているメカニズム、また器官全体の形の変化をニワトリ胚の後ろ足の元になる肢芽(しが)という組織を用いて定量的に調べた。本研究成果は、今後試験管の中で器官全体を再生するときに、どのようにして形を制御してけば良いかを考えるための大きな一歩となることが期待される。