小胞体は,チューブ状構造とシート状構造が複雑に組み合わさり,細胞内でひと続きのネットワークを形成している.この特徴的なネットワークは真核生物に広く保存されており,小胞体の多機能性が形態と密接に関連していると考えられる.小胞体の形態形成のしくみは,酵母や動物の研究を中心として徐々に明らかになり始めているが,植物細胞における分子機構は未解明な部分が多かった.本研究では,小胞体膜に局在して植物細胞の小胞体の形態形成に関わる新規タンパク質ファミリーを2種類同定した.これらの因子は,細胞内で小胞体を適切に分布させるために必要であると考えられるが,その作用機構を明らかにすることが今後の課題である.
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