研究分担者 |
中本 泰史 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (60261757)
佐藤 三久 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (60333481)
朴 泰祐 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (90209346)
高橋 大介 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (00292714)
須佐 元 立教大学, 理学部, 専任講師 (00323262)
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研究概要 |
本計画の目的は,高精度輻射流体力学計算によって宇宙第一世代天体形成過程の詳細なシミュレーションを行い,その起源を解き明かすことにある。そのために,宇宙物理サイドとして輻射流体力学および天体形成数値シミュレーションの専門家,計算機工学サイドとして,並列計算機のハードウェア,ソフトウェア,ネットワーク技術の専門家が,緊密な協力体制の下に汎用型プロセッサーと専用機とを融合させた新たな融合型並列計算機システムを開発し,これによってこれまでにない大規模な輻射流体力学計算を行うことを計画している。今年度は,本計画の推進に不可欠な融合型並列計算機について16ノードのプロトタイプを製作すると共に,融合型並列計算機上で輻射流体力学計算を実行するために必要な計算スキームの整備を行った。融合型並列計算機については,PCクラスタの各ノードの2UサーバPCI-Xバスに直接組み込むことのできる重力計算専用ボードBlade-GRAPEの開発・製作を行った。Blade-GRAPEは,重力専用計算チップ(GRAPE-6チップ)を4台搭載し,サーバの10倍の演算性能で重力計算を行うことができる。Blade-GRAPEは,PCI-Xバスからの3.3Vの電源供給に加えて,+12V,+5Vの直流電源供給を必要とするが,これは2Uサーバ内部での電源の引き回しによって実現した。融合型並列計算機で実行する計算スキームについては,既に開発してきた6次元輻射輸送コードを改良し,点光源が内在する一般問題における輻射輸送スキームの製作を行った。また,任意のスペクトルの光源を扱えるスキームの開発も行った。さらに,並列化Tree法に基づく輻射SPH計算と自己重力計算との統合を行い3次元輻射流体力学スキームを開発した。ここでは,多くの光源を高速に扱えるよう輻射SPHコードを改良した。さらに,重力計算専用ボードで行う重力計算部分についてTree化を行い,大規模シミュレーションを実現するためのコードを整備した。また,現在行っている高精度格子法流体力学に自己重力計算と格子法輻射輸送を結合した3次元格子法輻射流体のためのコード開発も進めた。
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