研究課題/領域番号 |
16002004
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
常深 博 大阪大学, 理学研究科, 教授 (90116062)
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研究分担者 |
林田 清 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (30222227)
宮田 恵美 大阪大学, 理学研究科, 助手 (40283824)
鳥居 研一 大阪大学, 理学研究科, 特任助手(常勤) (30344047)
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キーワード | 宇宙科学 / 宇宙物理 / X線天文学 / 人工衛星 / 電子デバイス / 電子機器 |
研究概要 |
平成17年5月に高エネルギーに高い感度を持つSDCCDの動作試験として三陸で気球実験を行った。検出器面積は12mm四角にすぎなかったが、上空ではX線と荷電粒子の区別など、期待通り完璧に動作した。今回は、追加配分を利用して、平成18年度に予定している望遠鏡と組み合わせた気球観測の準備を進めた。 CCDの高速読み出しを狙ったLSIの開発として、第一号機を試作した。これまで個別部品で作ってきた回路そのものをLSI化するもので、一チップに二回路組み込んだ。十分な計算機シミュレーションと必要なIPのデザインを行い、製造請負会社で実際のLSIを作った。これ以外に、LSIを試験する専用も基板も作った。これらを組み合わせての試験でLSIとして完璧に動作した。実際に素子と組み合わせてX線撮像も出来た。その雑音レベルは、個別回路素子のデザインに起因することも判った。次回の開発では、低雑音と共に動作速度を速めたものを作れるようになった。 マイクロフォーカスX線発生装置とCCDとを組み合わせた精密X線撮像の実験も順調に進んだ。振動の低減を進め、X線源の実際のサイズ測定を行い、2μm程度であることを実測できた。CCD素子の高い位置分解能と組み合わせ、屈折コントラストを使った撮像の見通しが出来た。 X線用のCCD素子の開発は、厚い空乏層を目指すものとして、表面照射型では100μm程度、裏面照射型では200μmを越えるものが可能になった。表面照射型での雑音レベルは電子換算で三個程度と十分に低いが、裏面照射型では十個を越えており、今後さらに開発を進める必要がある。 また、衛星軌道にある各種衛星上のX線CCDを使った観測的研究も進めた。放射線による劣化などを正確に考慮して、観測データからどのようなことまで決められるかと言う観点から取り組んだ。天文学的にもRT不安定の発見など興味深い結果を出すことが出来た。
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