研究課題/領域番号 |
16002004
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
常深 博 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90116062)
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研究分担者 |
林田 清 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30222227)
宮田 恵美 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40283824)
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キーワード | 宇宙科学 / 宇宙物理 / X線天文学 / 人工衛星 / 電子デバイス / 電子機器 |
研究概要 |
当研究計画では、超高精度X線CCDのデザイン設計、製造とアナログASICの評価を行うことである。退職した研究支援者の肩代わりを、研究代表者の常深、分担者の林田、平成20年2月に雇用した新たな研究支援者の穴吹、PDの中嶋等でカバーし、アナログASICのデザインを進めた。電子回路を設計した後、マスクレイアウトを基にしたポストレイアウトシュミレーションをできるだけ完璧に行い、動作に問題のないことを確認した。次に、アナログASICチップの製造を発注し、平成20年度に完成した。これに合わせて、試験用の低雑音にデザインしたプリント基板を設計・製作した。これらの準備の下に、アナログASICの性能を調べたところ、雑音レベルとして40μV以下を達成し、読み出し速度も1MHzまで動作することを実証、消費電力も100μW以下であることを確認した。これにより、デザイン設計、製造、評価を予定どおり行うことができた。さらに、X線用のCCDを搭載した実験装置に直接接続し、6keVのX線に対して150eVの半値幅を達成し、実際の測定装置に組み込んでも十分な性能を発揮することを確認した。これに関連して、アナログASICの性能、それを利用した観測計画など関連の外部発表をヨーロッパとアメリカとで行った。また、実際の人工衛星による観測データに対して、本アナログASICの応用を念頭に置いた解析を行い、宇宙高温プラズマに対する新しい知見も得ることができた。こうして、人工衛星搭載の観測装置に本アナログASICを利用できる見通しが立ち、予定の成果を上げることができた。
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