研究課題/領域番号 |
16002004
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
常深 博 大阪大学, 理学研究科, 教授 (90116062)
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研究分担者 |
林田 清 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (30222227)
宮田 恵美 大阪大学, 理学研究科, 助教 (40283824)
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キーワード | 宇宙科学 / 宇宙物理 / X線天文学 / 人工衛星 / 電子デバイス / 電子機器 |
研究概要 |
当研究計画は、超高精度X線CCDのデザイン設計、製造とアナログASICの評価を行うことである。これまでに完成させたASIC、MND01に陽子線ビームを照射し、その放射線耐性を調べ、低軌道地球周回衛星で10年以上にわたり正常動作することがわかった。これらのノウハウを元に、MND02をデザインし、マスクレイアウトを基にしたポストレイアウトシュミレーションにより、動作に問題のないことを確認した。こうしてアナログASICチップを完成させた。プリアンプ部の低雑音化が功を奏し、雑音レベルとして20μ V程度を達成するなど、予定の性能を発揮することを確認した。さらに、X線用のCCDを搭載した実験装置に直接接続し、6keVのX線に対して140eVの半値幅を達成し、実際の測定装置に組み込んでも十分な性能を発揮することを確認した。これに関連して、アナログASICの性能、それを利用した観測計画など、関連の外部発表を行った。また、実際の人工衛星による観測データに対して、本アナログASICの応用を念頭に置いた解析を行い、宇宙高温プラズマに対する新しい知見も得ることができた。つぎに、人工衛星搭載の観測装置を念頭に置き、3cm×6cmのCs Iシンチレータを直接接着したCCDも開発し、正常動作を確認した。マイクロフォーカスX線発生装置を使った屈折コントラスト撮像においては、CCDの位置分解能を画素の大きさよりも小さくできることを実証し、軽元素からなる物体の撮像が明瞭に出来るようになった。こうして、予定していた成果を上げることができた。
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