研究課題/領域番号 |
16002011
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
須田 年生 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118453)
|
研究分担者 |
新井 文用 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90365403)
松岡 佐保子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20317340)
宮本 健史 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70383768)
|
キーワード | 造血幹細胞 / ニッチ / 骨芽細胞 / 自己複製能 / TIE2 / 活性酸素 / Angiopoietin-1 / ATM |
研究概要 |
昨年度に引き続き、造血幹細胞とニッチ細胞の相互作用を解析し、幹細胞の分裂制御機構を検討した。 1)静止期造血幹細胞に特異的に発現するTIE2受容体を介して、Ang-1が、骨芽細胞との接着を制御しているという仮説を立てて、Ang-1投与前後における幹細胞の遺伝子変化をマイクロアレイを用いて検討した。静止期幹細胞に特異的遺伝子をクローニングできた。今後、その働きを解析していく。 2)静止期造血幹細胞では、Ang-1/TIE2の刺激により、N-カドヘリンやβ-インテグリンが増加することを見出した、そこで、in vivo, in vitroで検討したところ、N-カドヘリンは、細胞分裂を抑制し、幹細胞機能維持に働くことを明らかにした。 3)ATM欠失マウスにおいて、c-Kit陽性Sca-1陽性Lineage陰性(KSL)細胞集団中のSPが消失すること、さらに、抗酸化剤の投与により幹細胞の機能回復と平行して、SPの頻度が回復することを見出した。そこで、ATM欠失マウスでのSP消失の機序を解明することにより、ニッチにおける造血幹細胞の未分化性維持機構を明らかにしたいと考えた。その結果、ATM欠失によりROSが上昇し、p38MAPKを介してN-カドヘリンが低下するというシグナル経路を見出した。 4)マウス生殖幹細胞においても、造血幹細胞と同様のROSのモデルが成立するか否かを検討した。
|