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2004 年度 実績報告書

神経細胞の極性形成を担う分子群の網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 16011238
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

稲垣 直之  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20223216)

キーワード神経細胞 / 網羅的機能解析 / 機能ゲノミクス / 細胞極性 / プロテオーム / 新規脳特異タンパク質
研究概要

神経細胞は、1本の軸索と複数の樹状突起を有し神経極性を形成する。神経極性は、神経細胞の基本的な機能であるシグナルの入出力や統合に重要な役割を果たすにも関わらず、その形成および維持の分子機構は未だよくわかっていない。本研究の目的は、プロテオミクスを用いて神経細胞の極性形成に関わる分子群を網羅的に同定し機能解析を行うことにより、神経極性形成・維持の分子ネットワークを明らかとすることである。
これまでの研究で、我々は高感度二次元電気泳動法を用いて6,197個のタンパク質スポットを解析し、培養海馬神経細胞の極性形成時に発現が上昇する92個のタンパク質を質量分析装置を用いて同定した。また、5,164個のタンパク質スポットを解析し、82個の神経軸索に濃縮するタンパク質を同定している。
本年度は、これらのうち2つの新規タンパク質の機能解析を重点的に行った。そのひとつshootin1に対する抗体を作成し組織分布を調べたところ、shootin1は脳に特異的に発現しその発現量は軸索が形成される生後4日目にピークを迎えた。また、ラット海馬培養神経細胞では、shootin1が極性形成に伴って軸索の成長円錐に強く濃縮することが明らかとなった。さらに、shootin1の異所性の過剰発現は神経極性に乱れを惹き起こし過剰軸索を形成させた。以上の結果から、今回見出したshootin1は極性形成に関与する重要な分子であると結論された(論文投稿中)。もうひとつの新規分子(名前は未定)も脳特異的な組織分布を示し、ラット海馬培養神経細胞では神経細胞の極性形成とともにその発現量が上昇した。また、この分子は成長円錐内でアクチンフィラメントと共局在しており、極性形成に伴った神経突起成長を調節する重要な因子である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 図書 (1件) 産業財産権 (2件)

  • [図書] 遺伝子医学MOOK「疾患プロテオミクスの最前線」2005

    • 著者名/発表者名
      稲垣 直之
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      株式会社メディカルドウ
  • [産業財産権] Axon formation and elongation employing nerve growth cone localized molecule shootin1 or its splicing variants, and applications for nerve regeneration2005

    • 発明者名
      N.Inagaki, T.Shimada, M.Toriyama, O.Ohara, T.Nagase
    • 権利者名
      Nara Institute of Science and Technology, Kazusa DNA Research Institute
    • 産業財産権番号
      国際出願番号:PCT/JP2005/未定
    • 出願年月日
      2005-02-10
  • [産業財産権] 神経成長円錐局在分子Shootin1もしくはそのスプライシングバリアントを利用した神経軸索の形成・伸長と神経再生への応用2004

    • 発明者名
      稲垣 直之, 島田 忠之, 鳥山 道則, 小原 牧, 長瀬 隆弘
    • 権利者名
      国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学, 財団法人かずさディー・エヌ・エー研究所
    • 産業財産権番号
      特許出願番号:特願2004-235708
    • 出願年月日
      2004-08-13

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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