研究概要 |
(1)SAGE解析用データベース作成(Reference db):SAGE解析用データベース作成(Reference db):カイコcDNAクローンをpolyA-tail側からシーケンスを決め、SAGE解析用のNlaIIIとBsmFIで切り出される14塩基断片(sequence tag)‘名札'のシーケンスを決め、ESTデータベースとリンクしたデータベースを作成する。このため、近交系p50T系統のカイコの11組織から作成したcDNAライブラリーを解析し、39,000個の5'ESTと38,000個の3'ESTを決め、CAP3プログラムを用いてクラスターリングをし、2,406個のclusterと6,255のsingletonを得た。これらから各cDNAのtagを決め、ホモロジー検索により各cDNAのアノーテーションを行い、データベース化した。 (2)5令3日目の中部(MSG)および後部絹糸腺(PSG)から抽出したmRNAから10塩基の断片を得、これを連結したコンカテマーを作成し、中部および後部絹糸腺SAGEライブラリーを作成した。 (3)SAGEクローンのシーケンスを各SAGEライブラリー当たり3,000-5,000個決め、10ベースのtagシーケンスを決めた。MSGライブラリーから27,442tags、PSGライブラリーから43,894tagsを決めた。 (4)MSGとPSG SAGEライブラリーで得られたtagの頻度と分布を比較することにより、MSGおよびPSG特異的に出現するtagを解析した。25個のMSG特異的cDNAと13個のPSG特異的cDNAを得た。MSG特異的cDNAにはSericin1,2遺伝子の他、Photoreceptor hedrogenase, Retinal binding protein, SR family splicing factor等が同定されたが、大部分は未知遺伝子だった。PSG特異的cDNAにはfibroin H-chain, L-chain, P25遺伝子の他、Protease inhibitor, Arginine kinase等が見い出された。
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