研究概要 |
1.独立したシロイヌナズナ完全長cDNAクローン約10,000クローンを植物発現ベクターに挿入したシロイヌナズナ完全長cDNA発現ライブラリーを作成した。このライブラリーをアグロバクテリアによりシロイヌナズナ個体に導入して、個々に完全長cDNAが高発現する形質転換ライン(シロイヌナズナFOXライン)を約10,000系統作成した。約50のラインを無作為に抽出して挿入されたcDNAの個数と長さについて調べた。平均して1.5コピーのcDNAが導入されており、導入に用いたライブラリーのcDNAの分布との比較からcDNAの長さによる挿入効率の差は、ほとんどないことが分かった。これらのライン作成中に種々の形態観察を行い、形態に関しての変異情報と変異の原因となる導入したcDNAの情報をデータベースに登録した。作成したシロイヌナズナFOXラインについて、紫外線耐性、光形態形成について選抜を行なった。 2.10,000系統のFOXラインの植物種子についての形状を詳細に観察するために、レーザーレンジファインダーの代わりにμCTによる形状の計測を行った。 3.約600あるうちの500種類のシロイヌナズナF-BOXタンパク質についてRT-PCR法によって全コーディング領域を増幅し、ゲートウェイのEntryベクターへ挿入を完了した。予備的に10種類のF-BOXタンパク質についてGFPと結合して、パーティクルガンによりシロイヌナズナの胚軸に導入して細胞内局在を観察した。細胞質、核等の局在について観察することで、局在によるタンパク質の分類ができることを確かめた。局在の安定した情報を得るために500種類について個々のF-BOX::GFP融合遺伝子の作成を行った。
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