研究課題/領域番号 |
16012217
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
那波 宏之 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50183083)
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研究分担者 |
村竹 辰之 新潟大学, 医歯学総合学院, 講師 (60311669)
水野 誠 新潟大学, 脳研究所, 助手 (20345515)
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キーワード | 精神疾患 / DNAチップ / マイクロアレイ / 遺伝子プロファイル / 分子診断 |
研究概要 |
近代のストレス社会において、統合失調症(精神分裂病)を始めとする精神疾患は多くの人が発症する難病であり、社会的損失は計り知れない。本課題は、これまでに統合失調症の死後脳3領域における病態遺伝子プロファイルを解析し、疾患特有の遺伝子発現変化とその特徴を抽出した。特に本課題では、生物機能タグを入れた後、統計解析を完了させた。遺伝SNP解析や精神疾患の研究に応用してもらえるよう、一般にも利用できる形でデータを判りやすく改変した。そして、その結果をweb上に公開すべく、ホームページを作成しデータベースをリンクさせ多くの研究者へ利用できるようにした。(http//brain.bri.niigata-u.ac.jp/~molecular/ab_A.html) これまでの研究成果である統合失調症の抹消血マーカー遺伝子を統合失調症患者と健常者の単核球RNA発現プロファイルとしての特異性を検定してみた。この遺伝子変化が、ストレスなどの一般的精神状態を反映している可能性を検定するため、健常者、大うつ病患者や不安障害の患者の協力を得て、血液を採取、同様にアフィメトリクス社のGeneChipにかけて、単核球RNA発現プロファイルを得た。統合失調症に関連の高い10遺伝子に対して、そのmRNAレベルを1次線形判別式にかけた。6例中、5例は「非統合失調症」(健常者領域)の数値を得たので、選別した10遺伝子からなる遺伝子群は、統合失調症だけに関連性が高く、他の精神疾患とは関連性が低いと推察された。このように、これらの遺伝子マーカーを用いて線形係数を選定、線形判別することは、統合失調症の生物的確定、ならびに診断に応用できると考えられる。
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