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2004 年度 実績報告書

酸化ストレス関連分子の遺伝子多型を基盤とする冠攣縮の病態解明と診断・治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16012220
研究機関山梨大学

研究代表者

久木山 清貴  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (00225129)

研究分担者 川端 健一  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (30345706)
手塚 英夫  山梨大学, 総合分析実験センター, 助教授 (70155456)
キーワード酸化ストレス / NO / グルタチオン / 遺伝子多型 / 血管内皮細胞
研究概要

虚血性心疾患などの血管疾患にとって酸化ストレスは危険因子のひとつであり、心血管疾患の病態において重要な役割を担う血管内皮機能障害の一因でもある。glutathione(GSH)は最も重要な細胞内の抗酸化物質であり、その合成経路における律速酵素はグルタミン酸システインリガーゼglutamate-cysteine ligase(GCL)である。GCLは触媒作用を有するGCL catalytic subunit(GCLC)と調節作用を有するGCL modifier subunit :(GCLM)からなる二量体である。生体に酸化ストレスが加わるとGSH合成の為にGCLC遺伝子の転写活性が上がり、そのことが血管内皮機能障害に対する防御機構の一つとして作用している。今回我々は冠動脈内皮機能や心筋梗塞にGCLCの遺伝子多型が関わっているかを検証することを目的とした。まず遺伝子多型の有無を調べるためヒトDNAのGCLCプロモーター領域の遺伝子配列解析を行った。次にアセチルコリンを用いた冠動脈内皮依存性の冠動脈弛緩反応とGCLCプロモーター領域の遺伝子多型との関係を62人の男性症例で調べた。また255人の心筋梗塞患者と179人の対象者においてこの遺伝子多型を有する頻度を比較した。遺伝子多型が転写活性に及ぼす影響についてはヒト臍帯静脈内皮細胞を用いて検討した。その結果、我々はGCLCプロモーター領域に未報告の遺伝子多型(-129C/T)を発見した。ヒト内皮細胞ではH_2O_2に反応した-129T遺伝子多型のプロモーター活性は-129C遺伝子型に比べ50〜60%に低下していた。また-129T遺伝子型を有する症例では-129C遺伝子型を有する症例に比べ内皮依存性の冠動脈弛緩反応が有意に低下していた。心筋梗塞群では-129T遺伝子型を有する頻度が対象者群に比べ明らかに高く、古典的な冠動脈危険因子と比較しても独立した危険因子であった。結論としてGCLCプロモーター領域の-129T遺伝子多型によって酸化ストレスに対するGCLCの発現は低下し、この遺伝子多型が冠動脈内皮機能の低下と心筋梗塞の病態に関連している可能性があることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Remnant Lipoproteinemia is a Risk Factor for Endothelial Vasomotor Dysfunction and Coronary Artery Disease in Metabolic Syndrome2005

    • 著者名/発表者名
      Takamitsu Nakamura, et al.
    • 雑誌名

      Atherosclerosis in press

  • [雑誌論文] Increased Ambulatory Pulse Pressure is a Strong Risk Factor for Coronary Endothelial Vasomotor Dysfunction2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshihide Ichigi, et al.
    • 雑誌名

      J Am Coll Cardiol in press

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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