研究課題/領域番号 |
16012241
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池上 博司 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20221062)
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研究分担者 |
藤澤 智巳 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324766)
川畑 由美子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
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キーワード | 糖尿病 / 遺伝子 / 多因子疾患 / モデル動物 / コンジェニック系統 |
研究概要 |
ゲノム上にマップし、その局在を決定してきた1型糖尿病疾患感受性遺伝子の同定ならびに機能解析を行い、1型糖尿病体質を明らかにするとともに、体質に応じたテーラーメードの予防法・治療法を構築することを目的として、1型糖尿病のモデル動物(NODマウス)において局在が決定され、ヒトにおいてもカウンターパートと疾患との関連が示唆されているMHC遺伝子およびnon-MHC遺伝子に関して責任となる変異・多型の同定・機能解析を行った。まず、MHC遺伝子の第2のコンポーネントであるIdd16領域内の候補遺伝子解析を行った結果、Idd16に抵抗性のアリルを有するNOD.CTS-H2コンジェニックマウスではクラスI MHCのK遺伝子がNODマウスのK^dから一部がK^kに置換したユニークな構造を有することが塩基配列レベルならびにモノクローナル抗体との反応特異性の両面から証明された。この違いが疾患感受性の違いと相関することから、クラスIのK遺伝子がIdd16の候補遺伝子である可能性が示された。マウスのIdd5.2の原因遺伝子と考えられているSlc11a1(Nramp1)のヒト対応遺伝子(SLC11A1)と1型糖尿病との関連を解析するとともに、既報のデータを含めたメタ解析による多数例での検証を進めた結果、Z-fingerモチーフに存在する機能的多型が1型糖尿病と有意の関連を示すことが示された。さらに、NODマウスにおいて疾患感受性に最も強く関連するMHC遺伝子(Idd1)とnon-MHC遺伝子の中で最も強力なIdd3の1型糖尿病への関与をコンジェニック系統ならびに交配実験により解析した結果、いずれも疾患発症には必要であること、しかしこの2つのみでは発症に十分ではないことが示された。
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