研究課題
核内レセプターPPARγリガンドはマウス腸炎モデルに対してきわめて高い治療効果を有することをわれわれは報告してきた。(Nakajima et al.Gastroenterology 2001)今回の研究では本リガンドが核内レセプターのリガンドということを考えると遺伝子発現制御により治療効果が発揮されていると考えられた。これを逆に標的遺伝子を同定するために、マウス腸炎モデルにおいて、本リガンド投与で変化する遺伝子発現のプロファイリングを行い治療や病態解明に有用な標的遺伝子の同定を試みた。腸管上皮におけるPPARγ自体の減少を認めたことからPPARγを挿入したadenovirus vectorによるマウス腸炎の遺伝子治療の可能性を報告した。(Katayama et al.Gastroenterology 2003)遺伝子発現プロファイリングからさまざまな癌遺伝子、細胞増殖関連遺伝子の有意な発現変化を認めた。(Nakajima et al.J Gastroenterol.2003)特に癌胎児性蛋白(CEA)の一種CEACAM1が強く誘導され、癌とは別に本分子の腸炎治療への応用性の可能性が示唆された。(Nakajima et al J Immunol 2003,Iijima et al JEM 2004)このような背景の下PPARγリガンドの発癌に対する影響をマウス化学発癌モデルで検討したところきわめて強力に発ガンを抑制した。(Osawa et al.Gastroenterology 2003)PPARγリガンドはマウス腸炎モデルに対してきわめて高い治療効果を有する。本リガンドの標的遺伝子を同定するために、マウス腸炎モデルにおいて、本リガンド投与で変化する遺伝子発現のプロファイリングを行い治療や病態解明に有用な標的遺伝子の同定を試みた。
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