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2004 年度 実績報告書

多様な鉄硫黄クラスター合成システムの反応特性と微生物の生存戦略

研究課題

研究課題/領域番号 16013224
研究機関大阪大学

研究代表者

高橋 康弘  大阪大学, 理学研究科, 講師 (10154874)

研究分担者 福山 恵一  大阪大学, 理学研究科, 教授 (80032283)
キーワード鉄硫黄クラスター / 鉄硫黄タンパク質 / 生合成 / ISCマシナリー / SUFマシナリー / NIFマシナリー / 環境適応 / X線結晶構造解析
研究概要

近年我々は、Fe-Sクラスター(Fe-S蛋白質のコファクター)の形成に必須な二種の独立した大腸菌マシナリー(ISC、SUF)を明らかにした。生物界には、さらにNIFを加えた三種類のFe-Sクラスター合成系が分布している。これらクラスター合成系のそれぞれの特性と共通原理、多様化の進化的意義を明らかにすることを目的として、本研究では以下の解析を進めた。
1.大腸菌のiscとsufオペロンの二重欠損変異体(合成致死)が、ピロリ菌のnifSUによって嫌気条件下、相補されることを明らかにした。すなわちNIFマシナリーは、わずか2成分という最もコンパクトなFe-Sクラスター合成系として機能すること、その一方で、酸素存在下では機能することができないという特性を持つことが判明した。真核生物では唯一、赤痢アメーバに分布するNIF類似マシナリーについても、同様の相補能を確認した。これらNIFマシナリーの分布は嫌気的(微好気的)な微生物に限られており、低酸素環境への適応進化と捉えることができる。
2.大腸菌のISC並びにSUF、好熱菌Aquifex aeolicusのISC、好熱性古細菌Sulfolobus tokodaiiのSUFマシナリーの構成成分について、各々単独、または複合体として過剰に発現させ、精製と機能解析、結晶化を進めた。昨年度の大腸菌YfhJ(IscX)に続き、本年度はSufA,SufC,SufDの構造決定に成功した。また、SulfolobusのSufC+SufD複合体についても良質の結晶を得ることができた。SufDについては、構造情報に基づいて種々の変異を導入し、機能的に重要な部位を同定した。加えて、AquifexのIscUが意外にもFe-Sクラスター中間体を結合した状態で精製できることを見出し、さらに変異を導入することによって中間体の安定化を達成した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Crystal Structure of Escherichia coli YfhJ, Protein, a Member of the ISC Machinery Involved in Assembly of Iron-Sulfur Clusters2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshimitsu Shimomura
    • 雑誌名

      PROTEINS Structure, Function, and Bioinformatics (印刷中)

  • [雑誌論文] An Intestinal parasitic Protist Entamoeba histolytica Possesses a Non-redundant NIF-like System for Iron-Sulfur Cluster Assembly under Anaerobic Conditions2004

    • 著者名/発表者名
      Vahab Ali
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279・16

      ページ: 16863-16874

  • [雑誌論文] Interchangeability and Distinct Properties of Bacterial Fe-S Cluster Assembly Systems : Functional Replacement of the isc and suf Operons in Escherichia coli with the nifSU-like Operon from Helicobacter pylori2004

    • 著者名/発表者名
      Umechiyo Tokumoto
    • 雑誌名

      J.Biochem. 262・2

      ページ: 199-209

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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