研究課題
出芽酵母、および、分裂酵母の全染色体についてもChIP-chip法により染色体上のタンパクの配置を解析可能なシステムを構築した。このシステムを用い、出芽酵母染色体上での姉妹染色体分体間接着タンパク、コヒーシンの配置メカニズムの解析と、DNA二本鎖切断時に於ける配置の変化を追跡した。まず、コヒーシンが転写と排他的に染色体上で棲み分けていることを明らかにした。さらに、DNA二本鎖切断時にはダイナミックにコヒーシンが切断部位へ移動して行くことを通じ、コヒーシン複合体のDNA修復への関与を明らかにした。コヒーシンの修復機能はコヒーシンを染色体に結合させる上で必要不可欠なScc2蛋白に依存しており、二本鎖切断時にはScc2の新たな結合が、セントロメアおよび、切断部位に検出される。現在、コヒーシンのDNA切断時に於ける配置変化に必要な因子を検索中である。一方、分裂酵母染色体ではコヒーシンの配置は、必ずしも転写と排他的にはならず、その配置原理は出芽酵母と異なる。分裂酵母染色体はそのレプリコン構造に於いても、出芽酵母染色体とは異なることが示されている。現在、分配装置の配置を始め種々の染色体高次構造形成因子についての解析を通し、真核生物染色体に共通の構築原理を明らかにすると共に、この二つの酵母の染色体構造を比較することにより、大きなサイズの染色体の構築のために必要な因子とその役割について明らかにしようと考えている。
すべて 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (8件)
Genes Cells. 10
ページ: 193-206
Biosci Biotechnol Biochem. 68
ページ: 909-919
Mol.Cell 14
ページ: 515-522
Nature 430
ページ: 573-578
Yeast 21
ページ: 903-918
Mol.Cell 16
ページ: 1003-1015
Curr Biol. 14
ページ: 2183-2196
Nature 424
ページ: 1078-1083